ビンゴ式簡易問診票を用いた腰痛·下肢痛症例の実態調査

摘要

背景:近年,高齢化に伴い腰痛·下肢痛を訴える患者が増加している。 その原因の1つとして腰部脊柱管狭窄症があげられる。 腰部脊柱管狭窄症の診断には他の疾患との鑑別が必要であり,診察時の問診や下肢動脈の触診等が重要となる。 今回我々は,診察の待ち時間を利用し,腰部脊柱管狭窄症の特徴的な症状をとらえることを目的としてビンゴ式簡易問診票を作成し,腰部脊柱管狭窄症患者の実態調査を行った。結果: 2004年11月から2005年12月の間に4施設の整形外科外来を受診した,腰痛·下肢痛を訴える50歳以上の患者を対象とした。 回答を得られた266例中52.6%に間欠政行が認められた。 前屈みになると楽になる患者は32.3%で,そのうち30.2%が腰部脊柱管狭窄症と診断された。 また,腰痛·下肢痛にて生活に支障があると答えた症例は59.8%と多く,前屈みにより症状が改善する群では65.1%と高率であった。 以上の結果より,ビンゴ式簡易問診票は診察の待ち時間を利用して簡便に行えるばかりでなく,腰痛·下肢痛患者に対する問診の効率化に有用であると考えられた。