先進的学習科学と工学研究会(SIG-ALST)

摘要

先進的学習科学と工学研究会(Advanced LearningScience and Technology : SIG-ALST研究会：http：//home.hiroshima-u.c.jp/jsai-sig - alst / ) では，「人の学習」に着目し，その促進支援のモデルィヒとシステム化を中こ，さまざまな人の学習に関連する研究発表や討論交流の場を提供しでいます． 学習は人のあらゆる活動に伴って現れる遍在的な活動であると同時に，学習の対象や目標，そして学習者自身の経験や能力あるいは置かれている環境など，さまざまな要因によって影響され，それぞれ異なった特徴をもつ偏在的な活動ともいえます． このため，さまざまな視点からの知見や分析あるいは実践的な評価が求められることになり，情報工学知識工学のみならず，認知科学から教育工学や教育現場での実践までを興味の対象として含む学際的な研究会となっています． 研究会名の一部となっている学習科学は，認知科学の成果をもとに学習プロセスを促進する仮説を立て，実践によって理論の正しさや具体的促進法の有効性を立証しようとする研究分野です． また，学習工学とは，情報工学知識工学の成果をもとに学習プロセスを促進支援するための技術道具をつくり出そうとする研究分野を指します． 学習科学は立ち上がったばかりの新しい研究分野であり，学習工学は，これから立ち上がろうとしている研究分野であるといえます． どちらも，［学習」を既存の知見や技術方法の応用適用対象と見るのではなく，学習自体のもつ本質的な重要性を見いだし，新規性独自性の高い成果をあげていこう，という意思表明としての名称であるといえます． ともに人の学習を主題としたこれらの新しい分野を融合的に発展させていくことがALST研究会の目指すところです.