RASに関する疾患ゲノム解析

摘要

レニンーアンジオテンシン系（renin－angiotensin system：RAS）遺伝子の一塩基多型（single nucleotide poymonphism：SNPs）が，虚血性心疾患や高血圧などの罹患率，予後，治療反応性などに左右するという多くの報告がなされている．ヒトゲノム上には数百万のSNPsがあり，ゲノムワイド関連解析（genome-wide association study：GWAS）（「サイドメモ」参照）により疾患感受性遺伝子を同定する手法が主流となりつつあるが，一方で心血管病の遺伝的リスクとして一定の理解が得られたRASのSNPsのなかには，大規模臨床試験やコホート研究などにおいて詳細に検討され，予後規定因子のひとつと位置づけられているものもある．