触感の物理学的表現法と計測システム開発

摘要

繊維を用いた素材は，均質の一般的な固体物質と比べて多様な機能を付加しやすいことから，より高い性能が必要となる様々な産業·社会分野において活用されている·その中でも，特に強靭ながら柔軟な素材を創り出せることから，ヒトが触れる状況における繊維を用いた素材は，最もヒトに身近なモノの1つとして広く生活に普及している·一方の現在社会は，この21世紀になってから計算機技術（comuputer technology）の普及が急速に進み，モノ作りばかりか生活のあらゆる場面においてもデジタル化とネットワーク化が進行し，ヒトとモノとの関係においてもIoT（Internet of Things）と称される技術革新が推し進められている．代表的なヒトに身近なモノである繊維を用いた素材についても同様で，発達著しいスマートテキスタイル（smartextiles）はもとより，より基礎となる布地についての特性評価においてもデジタル化が求められている·特に，強くIoTを意識する場合においては，その特性評価値の情報化テクノロジーに対する考慮が不可欠であって，さらに進展が著しい技術確認に合わせて成果を早期に普及させる必要から，ここでは科学的な対応策が求められることとなる．