高強度鋼H形断面梁のウェブ幅厚比緩和のための水平ステイフナー補剛の適用性に関する研究

摘要

建築の超高層化や，大スパン化に対応するために，高強度鋼材であるHT780鋼材の柱梁部材への適用が進められている．しかし，高強度鋼材板要素の幅厚比制限には，400N／mm2級普通鋼材の幅厚比制限式に降伏強度を代入して得られる小さい幅厚比制限値が用いられている．これは，縦軸にモーメント堀横軸に部材角としたFig．1に示すように，現行の幅厚比は，塑性率という弾性変形量の何倍変形するかに基づいて評価されているため，弾性変形量の大きい高強度鋼は，普通鋼に比べてより大きな変形量が要求されることになる．