医学における 分子標的療法のこれまで

摘要

獣医学領域においても人医学領域においても，分子標的薬 が使用されて，ある一定の期間が経過している。その数年の間!：,どちらの分野においても分子標的薬は腫瘍に対する治療 において重要な選択肢の1つとなっている。本誌 「Veterinary OncologyJ第2号（2014年4月号）においても 分子標的薬に関して特集を組んでいるが,近年も多くの新た な知見が得られている。^では，以前の特集と重複する内容もあるが，獣医学領域 で実施されている分子標的療法の薬剤を理解するために必要 な知識をまとめた。また，獣医学領域における分子標的薬の有 用性に関する報告も多くされおり，本誌にそれらの最新の情 報が疾患ごとにまとめられているが，本稿の後半には有効性 が認められなかった報告をまとめて記載した。どの腫瘍に対 しても分子標的薬をとりあえず使用すればよいというわけで はないことを理解するためにも，それらの分子標的薬の実際 の臨床例に対する有用性が認められなかった!<、 くつかの研究 に関してまとめた。