都市景観内スポット情報とWeb上の住所情報を用いたポジショニングシステムの性能改善

摘要

本稿では，都市景観内スポット情報とWeb上の住所情報を用いたポジショニングシステムの性能改善手法の検討が行われている．まず，従来システムの改善手法として複数の検索エンジンを使用したシステムの提案が行われている．続いて，改善システムを用いた都市部でのGPS実験及び従来システムと複数の検索エンジンを使用したシステムの測位精度の評価が行われている．測位システムには検索エンジンとしてGoogleとYahooを用い，それぞれを単体で用いた場合と複数用いた場合の測位精度について比較が行われている．また，システムのクエリ数を10，20にしたときの測位実験も行われている．これらの測位結果より，従来システムより提案システムの測位精度の向上が見られることを示されている．また，測位した地上15ヶ所を高層ビル地域と低層ビル地域に分類したときの測位実験の比較が行われ，低層ビル地域よりも高層ビル地域の誤差が大きくなることが示されており，その原因として大局的位置情報として用いるGPSの誤差，提案システムの持つスポット名の表す建物の大きさによる誤差が挙げられている．