原子力と新エネルギーのイメージに関する調査

摘要

原子力と新エネルギーに対して人々の持つイメージを把握するために，関連するキーワードを用いた質問によるアンケート調査を実施した。 同時に，エネルギー政策に対する意識や価値観などを尋ね，各人の持つイメージとの関係を分析した。 その結果，全般的には原子力に対する否定的なイメージと新エネルギーに対する肯定的なイメージが認められるが，肯定·否定の度合いや認識の仕方には，性別，年代，学歴によって何らかの差異があることが定量的に示された。 また，エネルギー政策への信頼感や参加意識とイメージとの間にもいくつかの関係があることが明らかになった。 さらに，わが国のエネルギー政策に対して人々の理解力が不足していること，とりわけ新エネルギーに対する期待が現実と大きくかけ離れていることが確かめられた。 これらの結果は，人々とエネルギー施策側との間の意識ギャップに関する分析やその距離の縮小に役立つものと考える。