不純物除去装置の実用化に向けた取組み

摘要

以前よりこの問題は、今後鋳造業界全体の存続にかかわる重要な問題になるとの認識から、（株）木下製作所と（株）ナニワ炉機研究所が10年前よりMn等の不純物金属を鋳鉄溶湯から除去する不純物除去装置の開発を進めてきた。この装置は一般的な取鍋を使って処理時間15分でMn含有量を半減させることができ、処理コストも溶湯1kg当たり約3円に抑えることができる。Mnの高いハイテン材と銑鉄やMnの低い鉄スクラップのコスト差を考えれば、処理コスト￥3／kgでハイテン材が使用できればコストメリットは大きく、原材料の選択肢も広がる。また、この装置はMn以外にもAL、Zn、B等の不純物金属も除去でき、昨今の鉄スクラップ汚染に対して有効な除去技術である。今回この装置の1号機を（株）ダイハツメタル出雲工場へ納入し、実用化に向けた取組みを開始した。その操業実績について報告する。