曳縄漁具潜航板の振れ回り道動に関する研究

摘要

曳縄漁業は釣漁業の中でほ最も積極的な漁業であり，小型漁船で道糸や擬餌針などから構成される漁具を高速で曳き回して，主としてマグロ，カツオ，ブリ，シイラなどの遊泳力のある回遊性魚類や定着性のヒラメ，カレイ類などを対象として行われている。漁具の構成は，対象とする魚種や使用される地域によって多種多様であり，地域密着型の伝統的な漁法である卜3）。特定の魚種やサイズを対象としているために優れた選択性を有しており，また，釣漁業であるために，資源に過負荷を与えることが少なく，漁獲時に魚体に与える損傷が少ないことから，品質の良い状態で漁獲することができる4）。漁具の構成が簡単なため，日本国内をはじめ東南アジア諸国など熱帯亜熱帯地域を中心に世界各地で広く使用されている。