新たな解析法を搭載した全自動血液凝固測定装置の評価一抗血小板薬の効果確認指標一

摘要

透過度法（Light transmission aggregometry :以下、LTA)を測定原理とした血小板凝集能検査は、血小板無力症やべルナール.スーリエ（Bernard-Soulier)症候群などによる血小板機能低下症を診断するために非常に有効な検査であるとともに、抗血小板薬の効果判定のために検査を行っている施設が多い。抗血小板薬は血小板の機能を抑制する薬剤であり、近年の高齢化により増加している脳梗塞や虚血性心疾患などの疾患に対して使用されている。抗血小板薬としては、クロピドグレルやプラスグレルに代表されるP2Y_12阻害薬、アスピリンに代表されるシクロオキシゲナーゼ-l(COX-1)阻害薬、シロスタゾールに代表されるホスホジェステラーゼ3(PDE3)阻害薬などがあり、実際に使用されている.抗血小板薬の効果判定を血小板凝集能検査で実施する場合には薬剤の作用機序に応じた血小板凝集惹起物質（試薬）の選択が必要であり、P2Y_12阻害薬に対してはADP、COX-1阻害薬に対してはコラーゲン、PDE3阻害薬に対してはアラキドン酸ナトリウムを使用する場合が多ぃ。