端末群協調による省電力化フレームワーク－端末モビリティを用いたプロキシ適応度の検討

摘要

無線端末の消費電力における通信が占める割合は非常に大きく，通信の省電力化が強く求められている．この課題に対し，我々は近隣の端末群を協調，省電力通信を行う新たなフレームワークを提案している. このフレームワークでは位置的に近い複数のモバイル通信端末を協調させ，通信電力効率のもっともよい端末を代表（プロキシ）端末として選定，他の端末は WiFiを使ってプロキシ経由で通信を行うことで自身の WAN インタフェースを休止させ，端末群全体として格段の省電力化を実現出来る．このアレームワークでは適切なプロキシ端末の選択が非常に重要であり，バッテリー残量や通信スループット，受信信号強度に加えて，プロキシ端末が現在位置にどの程度安定的に滞在すると推定されるかの指標であるプロキシ適応度も非常に重要である. そこで本論文では，端末のモビリティに着目したプロキシ適応度について検討し，その結果をまとめる.