Kaneの量子ビットを用いた量子ニューラルネットワークの基本特性の検証

摘要

ニューテルネットワークでは様々な最適化問題が解けることが知られており，一方，量子計算機では完全な並列処理を用いた量子計算を行うことが出来る．量子ニューラルネットワークは量子ダイナミクスを取り入れたニューラルネットワークである．本論文では核スピンを量子ビット（量子ニューロン）として用い，量子ニューラルネットワークへの適用の可能性を検証した．まず，スピンとニューロンの関係と，それらの状態を変化させるために用いた断熱的変化アルゴリズムについて述べる．そして，スピンの2準位系を適用したニューラルネットワークのシミュレーション結果を示す．Kaneによって提案された核スピン量子ビットは，ホップフィールドニューラルネットワークにおける抑制性の結合を持つニューロンとして振る舞う．