プロセス改善による高品質ITソリューションの提供に向けたCMMIレベル5達成への軌跡

摘要

ネットワークが進化し，社会の隅々までIT化が行き渡りつつあり，品質の高いITソリューションの提供がますます重要になってきている。 三菱電機インフォメーションシステムズ㈱(MDIS)では，お客様の期待にこたえる高品質ITソリューションの提供を目指し，CMMI (Capability Maturity Model Integration)の最上位レベルであるレベル5を達成した。 レベル5達成までの主な軌跡は以下のとおりである。 (1)システム生産標準を基盤としたISO9001への準拠：商談から保守までのシステムインテグレーションのライフサイクル全般を対象に，システム生産標準SPRINGAMをベースに，ISO9001準拠の品質マネジメントシステムQMS (Quality Management System)を整備し，組織的なプロセスを活用する基盤を確立した。 (2) CMMIレベル3達成：年々厳しくなるビジネスゴールの確実な達成をねらい，CMMIを導入してプロセス改善を推進する組織の確立や品質保証部門の強化などの改善を図った。上記(1)の基盤もあり，約1年という短期間でCMMIレベル3を達成した。 (3) PMIS構築：プロジェクト支援情報システムPMIS (Project Management Information System)を構築し，プロジェクト活動の可視化，組織的プロセス資産の集約と提供，ソフトウェア生産支援の強化·拡張を図った。(4) CMMIレベル5達成：品質·生産性向上によるより高いビジネスゴールの達成をねらい，定量的プロジェクトマネジメントや新技術導入などの組織的なプロセス改善活動を継続することにより，CMMIの最も上位のレベルであるレベル5を先行部門で達成した。 上記プロセス改善活動SPI (Software Process Improvement)の結果，フィールドでの重大不具合の減少や品質コストの削減効果がもたらされ，お客様のMDISへの信頼度も向上した。