ビル·交通電源設備リニューアル工事の最新工法

摘要

今日のビルや駅舎は快適さを求めて照明設備，空調設備，衛生設備，エレベーター，エスカレーター，防犯防災設備，通信情報設備等が整備され，それらの機器すべてが電気で動作している。ビルや交通電源設備のリニューアル工事を行うには，いかにビルや交通設備の機能を停止することなく，短期間で仕上げるかが重要なポイントとなる。 三菱電機プラント建設統括部では，顧客ニーズに対する検討のみならず周辺地域に与える影響も十分調査し，ビルや鉄道駅舎に出入りする人々の安全と日常生活に配慮した計画を立て，その施工場所に適した工法改善や最適工法機材の開発を進め，安全·品質を十分考慮した現地施工を実施している。 （1）搬入工法ビルや交通施設の電源設備は高層階や地下に設置されることが多く，建物の性質上，専用の搬入設備が確保されていないのが通常である。 当部では，高所搬入用機材"ニュートンバランサー"①や階段用搬入機材"階段昇降機"②を開発し，短工期で地域住民やビル利用者に支障を与えない工法を採用し，高い評価を受けている。（2）据付け·組立工法建物内の作業は，環境を悪化させないことが重要である。 低騒音で排気ガスを発生させないよう，"電動クレーン"③と"トンボクレーン"④を採用している。また，騒音·振動を発生させないコンクリート用のアンカー穴あけ装置"楽々ドリル"⑤やアンカー封設装置"楽々ハンマー"⑥及びアンカー強度確認装置"楽々チェッカー"⑦等の機材を開発し，作業環境を向上させた。 なお，文中の0番号と下図中の0番号は対応している。