セラミックフィルタによる集塵·払い落とし性に及ぼす温度および粒子特性の影響

摘要

幾何学特性と熟的特性が異なる二種類の飛灰を用いて，セラミックフィルタにより200，500，800℃での高温集塵·払い落とし実験を行った．また，飛灰粒子の付着力を推算するため，集塵·払い落とし実験と同じ温度でせん断試験を行った．得られた実験結果と既往の文献データを合わせて，粒子に働く力と堆積粒子層空間率，払い落とし効率との関係を検討した．粒子層堆積構造に影響する因子としてフィルタ表面に捕集される粒子に働く力を考慮し，粒子間付着力F_C，慣性力F_I，流体抵抗F_V，重力F_Gを検討した結果，これらの力を組み合わせた無次元堆積パラメータΠ＝F_C~(-2)F_I~1F_V~(-1)F_G~2と堆積粒子層空間率の関係をひとつに整理することができた．また，払い落とし効率ηに影響する因子として粒子層に働く力を考慮し，払い落とし力σ_rと付着力σ_cの比であるΓ＝σ_r／σ_cと払い落とし効率の関係を検討した結果，Γ＝1－10の範囲で払い落とし効率ηの急激な増加が確認された．現象の詳細な解析にはさらに検討が必要ではあるが，セラミックフィルタの高温集塵·払い落とし挙動を評価する上で，粒子に働く力関係の検討が有効であると考えられる．