耐脱亜鉛腐食黄銅材料について

摘要

銅に亜鉛を45％まで添加した黄銅材料は、切削加工性や熱間加工性に優れ、良好な機械的性乳耐食性を兼ね備えているため様々な産業分野で用いられている。 ところが、水栓金具を始めとする水道水関連器具の分野において、一般的を黄銅材料ほ高い脱亜鉛腐食感受性を持つことと、日本の水質がいわゆる軟水であることから、水道器具の本体にほ主として青銅鋳物が用いられ、黄銅材料については、バルブのステムや弁棒などの一部で使用されるに過ぎなかった。 黄銅材料のうち、耐脱亜鉛腐食黄銅材料は、昭和50年代から伸銅メーカー各社で開発されたが、脱亜鉛腐食に対して実績がないことと、JISにない材料であること、あるいは各種規制により余り進展しなかった。