耐脱亜鉛材料の脱亜鉛腐食評価に関する検討

摘要

給水や給湯ラインの栓，バルブおよび継手類の材料には，黄銅が多く使用されている．黄銅は，その使用環境などによって脱亜鉛腐食が発生することが知られており，その対策として，様々な耐脱亜鉛材料が開発されてきた．耐脱亜鉛材料の脱亜鉛腐食感受性を評価する方法としては国際規格であるISO 6509と日本伸銅協会が制定した技術標準であるJMBA T303-2007の2種類の試験が広く知られている．しかしながら，これらの試験は，水道水などの淡水での使用環境とは大きく異なる環境で実施されるため，耐脱亜鉛材料の淡水環境での脱亜鉛腐食感受性を明確に判断することが可能であるかは疑問である．そこで，耐脱亜鉛材料の温水中における脱亜鉛腐食感受性に対し，既存の2種類の脱亜鉛腐食試験の妥当性を検慰するために，各種黄銅部材（青銅を含む）に対して，既存の2種の脱亜鉛腐食試験と長期間の温水通水試験を実施し，比較を行った．