わが社の補修·メンテナンス技術：鋼橋のメンテナンスの現状と疲労センサによる余寿命診断

摘要

わが国では，1970年頃の高度成長期に建設されたインフラが近い将来更新期に入ると言われている。 国土交通省が所轄する公共施設に対する投資額の推移を見ると，今後維持管理費が年々増加の傾向にあり，2025年には公共投資全体の46％が維持管理に当てられるとの試算がある（図1）。 道路橋に着目すると，1960，70年代に建設された橋梁は全橋梁数の40％を占めており，今後これらの橋梁の高齢化にともない，補修·補強あるいは更新が大幅に増加することが予想される。 これに対して，国土交通省を初めとする道路管理者は，予防保全を目指した総合的なマネジメントに取り組んでいる。 ここでは，鋼橋のメンテナンスの現状を述べるとともに，当社が開発した予防保全的な保守管理を可能にする疲労センサを用いた疲労寿命診断手法について紹介する。