わが社の補修·メンテナンス技術：レーザを使用した原子炉の水中メインテナンス技術

摘要

生産ラインにおける溶接施工やその検査は，材料はもとより設備や作業手順が適切に管理された状態で行われている。 一方，大型の溶接構造物は移動が難しいため，そのメインテナンスは屋外や狭あいな場所で実施されることも多い。 また，生産時には想定していなかった劣化が生じていることもあり，フレキシブルな対応が要求される。原子力プラントでは，設備の維持·管理がきわめて重要であり，定期的なメインテナンスが行われている。 原子炉構造物は運転中の中性子照射により放射化されており，定期検査中も水中に設置されている。 したがって，作業員による直接のアクセスは困難であり，そのメインテナンスは水中での遠隔作業となるため，高度な技術が必要とされる。 レーザは空間的および時間的な制御性が良好で，自動機との組み合わせが容易なことから，作業の遠隔化に適したツールである。 また，レーザを使用すると低入熱で変形の少ない局所的な施工が可能であり，熱処理や仕上げ加工などの後工程を省略できることがある。 このため，既存の溶接構造物のメインテナンスにおいて，レーザは最適なツールの一つと考えられており，レーザの利点を活かした種々の技術開発が行われている。