音圧情報付きレイ·トレーシング法の開発（その2）：音線と共に音圧も計算していく解析手法

摘要

流れのある場での超音波の非定常音波伝播解析法としては、有限要素法、FDTD (Finite Difference Time Domain Method)法等の差分法、レイ·トレーシング法（RT法）などがある。FDTD法は、有限要素法より計算時間が少なくて済む利点がある。RT法は、特定の領域の音線軌跡を解析する場合にはFDTD法より計算時間が短くて済むが、音圧を求める場合には、多数のレイ（音線）を発生させて、受信領域でのレイ数で音圧を評価するため、計算時間がかかり、精度も良くなかった。そこで、今回、1本のレイ毎に副レイを付随させ、2本のレイ間の面積変化を用いて、レイの位置と共に音圧も計算していく解析方法（以下RTp (Ray Tracing with sound pressure)法と呼ぶ）を考案、開発したところ、計算時間の短縮と精度向上を達成できた。前報では、2次元一様流速場での解析解との比較を行い良く一致することを確認した。今回は、2次元放物線状流れ分布のある場合について、FDTD法との比較を行ったのでその結果を紹介する。