上昇続いた上期産燃油市況9月一服も束の間，10月も上げ

摘要

8月未から原油市況が再び騰勢基調を強めている。 11日のドバイ原油（東京）市況終値は72.6ドル／バーレルとなり，過去最高だった昨年8月8日の72.3ドル／先を上回る史上最高値をつけ，続く12日の終値も72.9ドル／バーレルへ続騰した。 海上スポット市況も9月入り後はジリ高が続いており，原油通関CIF価格も10月は反騰が予想される。 こうしたコスト情勢から10月仕切は再び値上がりすることが濃厚となってきた。春からの原油市況高騰で，石油元売春牡の月別仕切打ち出しは3月から6カ月連続で値上がりし，8月入り後の原油市況反落でコストが下がった9月の仕切打ち出しも8月までの上げ局面の取り残しを理由に大勢据え置きとなった。産業用燃料油市況は8月価格交渉での大幅な値上げ申し入れが9月コスト下げを前に半額は未達となり，春から連続仕切値上げに見舞われているディーラー各社にとって一段と厳しい結果となった。 続く9月分価格交渉は，実質仕切が値下がりとなる中で需要家側が一斉に下げ要求を強めており，ディーラー各社としてはいかに下げ止めるかが課題となっているが，需要不振の中で出荷が低迷する大口中間三品市場では売り込みも始まった。 10月仕切の反騰が濃厚という状況下，ディーラー各社の懸命なマージン確保の取り組みは難航している。