ウルトラミクロトームを利用したナノ切削力測定装置の開発と応用例

摘要

既存のウルトラミクロトームにナノ切削力測定装置を取り付けることによって，①切削時の応力が計測できるばかりではなく，②ナイフと試料のあたり（接触）の感知，③振動（チャター）の有無，④表面性状の検知，⑤試料の切削枚数などの確認が容易にできることが明らかになった。 また切削力プロファイルは超薄切片の状態を極めてよく反映しており，応力の測定により，得られた切片の良否を判断することができる可能性を明らかにした。 なお著者らは切削理論を用いた切削機構の解明や，切削ツールの開発,本稿以外の材料への適用を続けているので参照されたい。 さらに，これらを通してナノ切削力測定装置および切削データの標準化を目指している。本研究は平成10年-11年度の文部省科学研究費補助金を受けて実施した。 また木原稿の執筆において住友金属工業㈱，谷山 明博士と㈱三菱化学科学技術研究センター，丹羽博嗣氏に多くの議論をいただいた。 ここに感謝する。