油圧とパワーエレクトロニクス：ステッピングモータによる油圧制御弁駆動－オープンループで確実な制御

摘要

現在、多くの油圧制御システムに、電気信号で遠隔制御する弁が多用されている。 これらの制御弁に使用される電磁アクチュエータは、電磁式方向切換弁に使用される単純なON-OFFの電磁ソレノイドから、高級なサーボ弁で使用されているトルクモータまで各種ある。 ここに紹介するステツピングモータで駆動する制御弁は、入力信号に対応して圧力、流量、方向を制御する弁であり、比例弁と同様な用途で使用するものである。 比例弁を駆動するアクチュエータで最も多いものは比例ソレノイドであり、直線運動をするものである。それに対して、ステツピングモータは、モータの名前が示すように回転運動を行うものである。ここで重要なポイントが2つ考えられる。 1つは回転運動をどのようにして直線運動にするかという点と、回転運動を行う多くの電動モータの中で、何故ステツピングモータが良いかという点である。 代表的な回転制御を行うものとしてサーボモータがある。 このサーボモータとステッピングモータを比較する。 その基本的な違いは、サーボモータは通常モータの回転位置をエンコーダなどで検知し、そのデータをフィードバックし、位置補正などの制御（クローズドループ）を行っているが、ステッピングモータは回転位置を検知せず、位置補正などをしないオープンループで位置決めする。 すなわち、駆動方式が大きく異なる。 第1表に比較を示す。 なお、直線運動への変換方式は後述する。