イントロダクション設計知識·ノウハウを新規設計に活用できない－設計知識·ノウハウ伝承に向けた取組みアンケート調査より

摘要

かつて，製品の品質問題を発見する能力は，経験を積み重ねることで習得していくものだった。 ところが最近は，開発現場の人員の削減などにより，経験を積む余裕がなくなってきている。 しかも，開発期間の短縮により，問題が出尽くさないまま市場に投入されるケースも発生している。 そのため，設計知識·ノウハウを活用して開発現場の底上げを図すり，品質問題の改善に取り組もうとする動きが出てきた。そして，これらを有効活用できるよう，各社で文書管理システムやナレッジマネジメントシステムの導入，データベースシステムの構築がなされている。 しかし，「設計知識やノウハウを新規設計に活用できた！ 」という声は一向に耳しない。 むしろ，「同じような失敗を繰り返している」といった声のほうが聞かれる。 ノウハウを管理し，新規設計に活用することは，それほどハードルが高いものなのだろうか？