プラスチック射出成形金型の設計基本：第3回 射出成形金型の構造設計·取り数

摘要

成形現場では、難しい成形をしないことがノウハウである。 最高の性能を発揮するようにと成形条件を難しくチューニングすると、少しずれても大きなばらつきを生じることになる。 例えば、成形品と金型は必ずしも相似形にはならないが、それを細かく補正した金型をつくると、よじれた形になる。 金型の加工が難しくなるだけでなく、成形が難しくなる。 このような場合は、ばらつきのないことを優先して単純な形状で丈夫な金型をつくるのが原理原則である。 日本の金型の製作で最も手間がかかるのは、みがきを含む手仕上げである。 これを少なくするには、成形品および金型の設計を単純な形状にするに限る。 単純な形状は成形時の流れが単純で収縮も単純だから寸法精度が良く、品質が均一になる。 金型もつくりやすく精度が良い。 単純な形状とは均一肉厚、単純な直線や円、対称形などである。 これは簡単に考えてできることではなく、工夫を重ねてはじめて到達する奥深いデザインである。