ネットワークの省電力化を実現する最適経路選択アルゴリズム

摘要

ネットワークの消費電力は年々増加しており，ネットワーク全体の省電力化に対する関心が高まりつつある．一方，近年ではネットワーク機器自体の省電力化技術の検討が進んでおり，各ネットワーク機器の処理トラフィック量に応じて転送機能休止あるいは省電力運転を実施する機能が注目されている．本稿では，ネットワーク内のトラフィック量に応じて，各ネットワーク機器における省電力機能の効果を最大化するようにトラフィックの転送経路を制御することにより，ネットワーク全体の消費電力量を削減することを目的とする．さらに，経路制御に伴う遅延増大や輻輳などのネットワーク品質影響を考慮しつつ省電力効果を最大化する経路選択アルゴリズムを提案する．最後に，シミュレーション評価によって提案アルゴリズムの有効性を示すとともに，トポロジの特徴と省電力効果の関係についての検証を行う．