モラル教育の支援を目的としたバーチャルリアリティのトラップ機能の効果と評価 －知識理解と実際の行動間とのギャップを判断するための手段の可能性の検証－

摘要

中山ら［7］は、バーチャルリアリティ(VR)を用いることで複雑な設定場面をわかり易く説明できることを明らかにした。 以上の成果を踏まえ，情報モラル教育を実施するために作成されたゲームシュミレーションにおける設定場面(道徳的規範知識)をわかりやすく説明するために、VRを用いた場面を構築した。 それを、文字表現だけの設定場面と比較したところ、被験者はVRによる設定場面の状況をより理解しやすいと感じていることがわかった。 さらに、VR内にトラップ機能を設けて、被験者に内容を悟られることなく、情報モラルに対する姿勢を抽出すること、また、情報モラル教育を通じて得られた知識に対する理解と実際に行動できることとのギャップがどの程度埋められているかを判断するための手段としての可能性を調査した。その結果、理解力と行動における隔たりを本機能により抽出することが可能であることが示唆された。