ゴム弾性車輪の導入に際して,開発を行ったVSGは実体車輪を用いて,疲労試験を行った.起訴状によればVSGの疲労試験は試験方法·荷重レベル·繰返し数において,車輪タイヤの耐久性を正確に求めるには不十分であるとして,技術者の過失責任が問われた.そこで,弁護側の専門鑑定人としては,開発当時のState of the artにしたがって十分な疲労試験が行われたのか,あるいは導入に際して不十分な試験であったのかを検証する必要があった.裁判長からは「弾性車輪がICEで使用するのに十分な疲労耐久性を有していたか」という課題が与えられていた.それぞれの専門鑑定人によって疲労試験がおこなわれ,ゴム弾性車輪の疲労安全性の評価が行われた.それぞれの専門鑑定人により行われた実体車輪の疲労試験方法はいずれも油圧サーボ疲労試験機を用いたものであった.ここでは,筆者の疲労試験と疲労安全性評価結果を説明し,その結果を他の鑑定人の疲労試験結果と比較する.
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