さらなる進化を遂げた通勤型新造車両：南海電気鉄道8300系

摘要

このたび，南海電気鉄道（株）では，『省エネルギー化』『安全·サービスの向上』『車両メンテナンスの向上』を目標とし，2015（平成27）年度に8300系を20両（4両×5編成）を導入した．弊社の通勤車両としては，2008（平成20）年に8000系を新造してから約7年ぶりの新型式通勤車両である．8300系は既存車両のデザインを踏襲しながらも，車両先頭部や内装をリニューアルし，省エネルギー効率の高い最新機器の導入や，すべての灯具にLEDを採用することで，消費電力を置換え対象となる従来車と比較して約50%低減した．さらに4力国語に対応した車内案内表示器を設置するなど，人と環境に優しい省エネルギー車両である．コンセプトとしては，①環境に配慮した省エネルギー対応【車内照明，前照灯等LED化】②インバウンド対応【4力国語による多彩な案内】とした．基本設計は，8000系を踏襲した部分も多く，その違いを中心に解説する．