乳酸菌生成物質（大豆乳酸菌発酵抽出液）の歯科応用に関する一考察

摘要

乳酸菌生成物質（大豆乳酸菌発酵抽出液：EX)摂取者9名の口腔環境を評価するため に，口腔内細菌数，歯周ポケッ卜，唾液流出 量の変化を観察した.摂取2か月後，総菌 数には有意差はなく，病原性細菌については, 減少または低値を維持，歯周ポケッ卜は改善が認められた.乳酸菌生成物質は，バイオジエニックスという概念に 分類され，大豆乳酸菌発酵抽出液（乳酸菌生成エキス，lactic acid bacterium generating extract，以下EXと略) については，各領域で成果が報告されている.乳酸菌生成物質の歯科領域への応用については，口腔 疾患や衛生状態の改善等が示唆されているが，研究報告は少ない.今回，筆者はEX摂取者の口腔環境の変化に関して検討した.