カーナビゲーション用地図データ格納フォーマットのJIS制定について

摘要

カーナビゲーションシステムは近年急速に普及し，2003年末時点で約1400万台のシステムが日本の市場に出ている。日本がこの分野の技術開発で欧米に先行してきたことが，国際標準化機構（ISO）で高度道路交通システム（ITS）の審議を行っている専門委員会（TC204）の地理データベース作業グループ（以下ラISO/TC204/WG3という。 ）の活動につながっている。特に,WG3の分科会であるSWG3.2の幹事国は日本であり，カーナビゲーションシステムに適した地理データベースの物理的格納フォーマットの検討を積極的に行っている。 この国際標準に向けた日本案作成をきっかけに，国内で1996年検討委員会が結成され，原案作成から各社の性能評価を経て，一つのデータ構造が完成した。 これをKIWI Formatと名付け,1997年に地図データ格納方法（PSF）の標準化方式案としてISO/TC204/WG3へ提案した。 本規格は,このKIWI Formatの国際提案部分を日本工業規格（JIS D 0810）として,2004年3月20日に制定されたものである。 なお,一部所見には筆者の個人的見解を含むことをお断りしておきたい。