緑泥石のコレンサイト化について（修士論文）

摘要

縁泥石は，低変成岩などに普遍的に産する層状珪酸塩鉱物であり，風化によりバーミキュライト化することは良く知られている。 これまでの電子顕微鏡を用いた研究に基づいて，緑泥石のバーミキュライト化は，縁泥石が直接バーミキュライトになるのではなく，縁泥石が一旦コレンサイトに置換された後で，バーミキュライトになることが示唆されている。 また，EPMAによる組成分析からは，プローブ領域の緑泥石とコレンサイトの存在比や端成分の化学組成がわからず，どのようなメカニズムによって緑泥石のバーミキュライト化が進行しているかは知り得ない。 そこで本研究では，緑泥石がバーミキュライト化するメカニズムを推定するために，新たに次式で示される"corrensite Index"という指標を提唱した。