ウォータープラザ事業について－海淡·下水等再利用統合システムの紹介

摘要

1961年に故ケネディ米大統領が海水淡水化を国家事業として取り組む法案に署名してから，蒸発法や逆浸透（RO）膜などを用いた海水淡水化設備の普及が進み，水資源確保が難しい地域の発展に貢献している．特にRO膜による海淡装置は，膜分離技術の進展によりコスト削減効果と高い信頼性があることが認められ，淡水化の主流な方式となりつつある．しかし，RO膜法には更なる普及拡大に向けて次のような課題がある．一つは，造水コストと消費エネルギーが比較的高いこと，二つ日はRO膜から排出される濃縮水の塩濃度が海水より高いため，濃縮水を放流した海域の生態系に悪影響を及ぼす恐れがあることで，これらの解決に向けた取り組みが進められている．