高Ni+Si銅合金の溶体化処理後の固溶量に及ぼす溶体化処理条件の影響

摘要

Cu-Ni-Si系からなるコルソン合金は、現在リードフレームやコネクターなどの用途が一般的であり、非常に薄く、且つ高精度の成形加工が要求されるため、加工性を重視してNi＋Si量は1．8－4．5mass％程度に抑えられている1）．しかしながら機械部品などへの応用の観点からは、より高い強度が要求されるものと考えられる2）．そこで著者らはこれまで、より高強度を志向し、Ni＋Si量が8．Omass％以上と非常に多く含有されたCu－Ni－Si合金について機械的性質に及ぼす熱処理条件の影響を調査してきた．しかしながらこれまでの研究では、溶体化処理後の固溶量の見積もりは、導電率や光学顕微鏡による観察結果などからの定性的なものにとどまっていた3）．そこで本研究では、溶体化処理後の固溶量をSEM－EDSを用い、より定量的に求めることで固溶量に及ぼす溶体化処理条件の影響を詳細に検討した4）．