国内一地域の一般住民における過敏性腸症候群の有病率と生活習慣·抑うつ度との関係

摘要

抄録 我々は国内一地域の一般住民においてIBSと生活習慣及び抑うつ度との関係を検討した.一般住民763名(男性288人，女性475人)に，質問票による調査を実施した.食事内容は因子分析で5つの食事パターンに分類した.IBSの有無を従属変数に，年齢，抑うつ度，BMI,喫煙，飲酒，運亂5つの食事パターンを独立変数として，多重口ジスティック回帰分析を行い，IBSの有無に対するォッズ比を算出した.その結果，IBSに対するォッズ比は，男女とも抑うつ度が有意に高値であった.一方，飲酒が男性でのみ有意に高いォッズ比を示し，和食パターンの食生活が女性でのみ有意に低いォッズ比を示した.日本人のIBSの予防で，節酒は男性に，和食パターンの食生活は女性に，メンタルヘルス対策は両性に必要と考えられた.