急性膵炎の診断における血清リパーゼ測定の意義

摘要

血清リパーゼの測定は急性膵炎の診断に必須の項目となっている。 しかし,血清リパーゼ値の高低および経時変化は急性膵炎の重症度と相関しない。 重症急性膵炎は今もって死亡率が高く,その予知法および早期治療法の確立は重要な課題である。 重症化の予知には血清ホスホリパーゼA2を含むいくつかの生化学的マーカーが有用であるとの報告を認めるが,測定の簡便性などに問題があり改良が望まれる。 最近,日本腹部救急医学会から急性膵炎の診療ガイドライン(案)が提唱された.これは,急性膵炎の診断および治療に関する知見をEBMの概念に基づいて評価し,一般的な診療指針を提供したものである。 この中でも急性膵炎の診療における血清リパーゼ測定の意義について記載されている。