大唾液腺癌に対する術後照射の治療成績

摘要

1981年から2002年に大唾液腺癌の術後照射を行った一次症例29例を対象とし，年齢，性別，組織学的悪性度，T因子，N因子，手術の切除度，同時化学療法，術前·術後化学療法について無病生存率を単変量解析および多変量解析を用いて検討した．全症例の5年累積生存率は61.6％，5年無病生存率は41.4％であった．無病生存率に影響する因子として組織学的悪性度と手術の切除度が単変量解析·多変量解析ともに認められた．化学療法を追加しても治療成績の向上は認められなかった．術後照射の総線量は，完全切除群では平均47.6+-8.8Gyとほぼ目標線量であったのに対して,不完全切除群では平均56.1+-7.9Gyと線量が不十分であり，不完全切除群の治療成績が不良であった原因と考えられた．