最近の通信·情報設備事情：災害対策·救助などに用いられる通信·情報設備－危機管理通信設備の現状と動向

摘要

近年，国内·海外を問わず，地震·津波などの大規模な自然災害や局地的な土砂災害·中小河川の氾濫，また人為的な事故·テロなどが頻発しており，忘れる間もなく次々に，これらの報道に接する毎日である。国や企業から個人に至るまで様々な危機的事態が想定され，「安心·安全」の確保が重要な課題であるとされている折，今回の特集の中で本稿は危機管理に関する通信·情報設備の現状を話題として取り上げ，幅広く災害対策や救助などに用いられる代表的な通信·情報設備の概要について紹介する。 さらに，e-Japan構想などにみられるように，多様な分野で高度情報化社会への道筋が示され，情報発信·情報提供の裾野の広がりとともに，通信の高速化も進み，情報通信量は今後も飛躍的に増大すると考えられる。 このような状況を背景として，信頼性の向上や高度化を実現する通信インフラの整備が図られており，危機管理通信分野におけるこのような動向についても触れる。