（新）ISOマネジメントシステム規格の現状と今後の展開：第2回 ISO9000Sに関する各種セクター規格とその概要

摘要

「マネジメントシステム規格」の第1号として誕生したISO9000Sは，「モノ」の品質をマネジメントするうえで，あらゆる組織（企業）に応用できるよう作られたものであった。これは言い換えると，高い汎用性を目指し，より一般的·普遍的であるとの考え方に立つ「規格」に帰着する。ところが，一般的·普遍的ということは半面，専門の分野からみると具体的専門機能の面で，物足りないものとなる。 そこで考案され開発されたのが，「セクター規格」（表1）である。 ISO9000S規格に係わるセクター規格は，本来の効用を十分認め，その基本的枠組の上に立って専門分野の産業により，具体的実践使用ができるよう考案され，工夫された規格である。 つまりこの規格は，一般にISO9000Sをベースとして，専門分野固有の要求を追加することにより，構築されたものである。 ここでは，最近各業界で活用され偉力を発揮しつつあるISO9000S関係「セクター規格」について，その概要を紹介してみたい。