リニアモーション技術：免震機構におけるリニアモーション技術の応用

摘要

地震対策としては耐震、制震、免震があり、一般的に耐震は、家など筐体の構造体を強固にして地震の振動に対しても壊れない強度を持たせる方法である。 1981年に見直された新建築基準法でも、大地震に対して、人命に被害を及ぼさない軽微な損傷はあっても建物が倒壊しないことを求めている。制震は、地震のエネルギーを建物内に設置したダンパで制御し、構造体の損傷を低減する方法である。 免震は、地震の揺れを受け流し筐体に地震動を伝えない、または伝えにくくする方法である。耐震では筐体を守れても中のものが被害を受ける場合があるのに対し、免震は筐体と共に中のものを守る方法であり、阪神淡路地震以降、免震構造の建物が増えてきている（図3）。 これは、阪神淡路地震で室内における圧死などの件数が多く発生したことで、新たに耐震構造が見直されたことによる。 先の共同提言にも、「兵庫県南部地震以降、建物の骨組みを耐震的にする耐震構造、免震層に地震エネルギーを集中させ上部構造たる建物を地震入力エネルギーから解放する免震構造、建物骨組を弾性に留め付加的なダンパで地震入力エネルギーを吸収させる制振構造といった耐震構造の類型化が一般化した」としている。 耐震·免震のイメージを図4に示す。