下排水の高品位再生処理RO膜都市下水を新しい水資源とする膜処理技術

摘要

水は生命の源である。 世界の水資源取水量は2025年には4,300～5,200km~3／年にまで増大すると推計されている。 一方、地球環境の変動に伴う異常気象、人口の増加、工業化、都市化などで永資源は枯渇化の方向に進んでいる。 それに加えて、残された水資源も汚染が進んできているのは周知の事実である。 その水資源の枯渇問題に対し、無尽蔵にある海水から飲料水を作る脱塩技術が検討され、先ず海水を蒸発させて真水を作る蒸発法が実用化された。 逆浸透膜（RO膜：Reverse Osmosis Membrane）法は、海水に浸透圧以上の圧力を加えて脱塩水を得る技術で1960年代より検討され、より高塩阻止率、高透過水量が得られるRO膜の開発及び周辺技術開発が進み、近年では蒸発法よりも少ないエネルギーで飲料水が得られるようになった。 その結果、RO膜法の採用が蒸留法よりも上回り、その差は更に拡大傾向にある。 一方、都市化、工業化に伴い増加する下排水からのRO膜技術を適用した水回収は、RO膜性能の向上に伴って新たな水資源の開発手段として注目されている。