米国アリゾナ州に見る半乾燥地帯における施設生産の特徴と戦略

摘要

米国南西部に位置するアリゾナ州は、そのユニークな気候と自然（グランドキャニオン、サボテンなど）で日本にもよく知られている州である。農業はアリゾナ州の主要産業であり、露地野菜、柑橘類、綿花、飼料作物、畜産などが主要農業品目である。 なかでもYuma市近郊の露地レタス生産は有名であり、冬季に米国で消費されるレタスの9割はアリゾナ産であるという。 肉牛および柑橘類は日本へ輸出される主要品目でもある。 州都のmoen反市周辺には古くから造園用苗生産業者が多く点在し、主として遮光目的の簡易施設、越冬用のプラスチックトンネルなどを利用してきた。 アリゾナ大学を中心として施設園芸の研究は古くから盛んに行われていたが、近年、オランダの技術に基づく大型施設の拡大により、施設野菜生産が注目を集め、高品質野菜の供給基地としての発展が期待されている。