食品の機能性向上と施設園芸への期待

摘要

昨年、介護が不要で、日常生活に支障なく、自立して生活できる期間を「健康寿命」として調査した結果が、医学雑誌の「ランセット」に揭載された。2013年の世界188力国の健康寿命は、 日本人の女性が75.6歳、男性が71.1歳で共に世界1位であった。2014年の日本人の平均寿命は、 女性が86.8歳、男性は80.5歳であり、客観的に言えば、わが国は、自立した高齢者が多く、社会 的にサポートすべき期間が短い、幸せな長寿国ということができる。1950年の男女の平均寿命が それぞれ58歳と61.5歳であったことを考えると、まさに隔世の感がある。このように、栄養状態 と健康管理システムの大幅な改善により、平均寿命は大幅に延びたが、がんや糖尿病などの、い わゆる成人病も著しく増加した。多くの日本国民にとっては、健康寿命世界一の実感は乏しく、 より健康、より長寿になることを願って、医療だけに頼るのではなく、食生活、食品の品質ゃ鮮 度、さらには機能性やいわゆる健康食品が気になつているのが実情ではないだろうカゝ。