グリーン、ツーリズム施設来訪者の行動に関する一考察　－兵庫県を事例として－

摘要

グリーン、ツーリズムは，農村訪問者側とそれらの受け入れ側に対して様々の効果を果たすことが期待される．しかし，先行研究でほ主に受け入れ側に重点がおかれており，農村訪問者側に焦点をあてた研究は少ない．今後グリーン、ツーリズムの振興を図っていく場合，多くのリピーターを確保することが最重要課題となり，農村訪問者側の分析も必要である．そこで本報告では，グリーン、ツーリズム施設に訪れる来訪者の行動に着目し，農村を満喫する行動をとる来訪者がどの程度いるのか，そうした行動がどのような要因にょり決定されるのかを分析し，農村を満喫する行動をとる来訪者の特質を明らかにすることを課題とする．具体的には，兵庫県下のグリーン、ツーリズム施設において実施したアンケート調査の結果を用いて，まず来訪者の属性や行動について，施設間で比較する．次に農村を満喫する行動をとる来訪者（以下では「農村満喫型」とする）を中心に来訪者の行動を3つのタイプに区分し，プロビット、モデルを適用して，来訪者の行動要因の分析を行い，「農村満喫型」と他の2つのタイプとの比較検討を行う．