被災地の現況と課題（岩手、宮城県の場合)

摘要

東日本大震災による岩手県と宮城県の地震、津波被害 の現状と，震災復興に向けた課題を述べる。震災被害に ついては，死者や行方不明者をはじめとして，未だ実態が不明な部分が多いため，あくまでも執筆時点（2011年 4月3日）での暫定的なものであることをお断りしたい。2011年4月3日現在，岩手県の沿岸12市町村の死者は 3,529人，行方不明者は4,545人，合計で8,074人に上り， このうち山田町の行方不明者は依然として調査中であ る。また，宮城県の沿岸14市町村では，死者6，983人， 行方不明者6,331人，合計で13,318人にも達するが，被害 が甚大であった南三陸町，東松島市，仙台市，山元町の 不明者はいまだ調査中であり，今後さらに増加する可能 性が高い。一方，避難者の数は，岩手県が41,257人，宮城県が65,771人となっており，両県だけで10万人を超える。