柑橘の貯蔵管理技緬～微細孔フイルム包装による　甘夏河内晩相の長期常温貯蔵～

摘要

春先から初夏に消費される甘夏や河内晩相は、気温の上昇に伴い果実の鮮度は急速に低下しますム低温で貯蔵すると鮮度は保たれます机冷蔵費用がかさむうえに出庫後の傷みが早くなりますムこのため甘夏では各産地がこぞって前進出荷し、4月の市場価格は低迷していますもまた、5月から7月の国産柑橘商材としては温室みかん以外にはほとんどなく、輸入品が大きなシェアを占めていますム甘夏や河内晩相をもう少し長く、鮮度よく貯蔵できれば出荷が分散化され、それによる価格の安定、さらに国産柑橘が真の商材として認知されそうですムそこで、宇和島地方局農政普及課御荘普及室、JAえひめ南マルエムフルーツアイランドおよびフィルムメーカーと共同で、酸素透過性をもつ微細孔フイルムを用いて甘夏河内晩相の大規模な貯蔵試験に取り組んだところ、2月収穫の甘夏では常温で6月上旬まで、3月収穫の河内晩相では7月上旬頃まで鮮度よく貯蔵でき、市場からも高い評価が得られたので紹介しますム