現代農業とエントロピーの法則による文明の消长

摘要

図2は、輸入が完全に途絶えたときに、国内の生産のみで二〇二〇キロ力ロリ—を供給する場合の、一日の食事メニュ—の一例です。二〇二〇キロカロリ—というのは、昭和二十年代後半の供給熱量と同じです。この表より少し前、昭和二〇年から二三年、私が小学校の四年生から中学一年生位までは日本国民一人当たりの食料の配給量は一日一七〇〇キロ力ロリ—位でした。ちょうどそのころ、東京の山口さんという方が、自分は闇米は食べないと言って、結局餓死して死んでしまいました。そんな時代です。そしてそれより少し後、私たちが中学校から高校時代になった頃がこの表と同じで、一日の平均がだいたい二〇〇〇キロカロリ—でした。ですから、現在日本人男性の平均的な摂取カロリ—といわれている二四〇〇キロカロリ—というのは、当時の私たちにとっては夢の世界でした。