遺伝子組換え植物が野生の蝶の幼虫の成長考抑える？

摘要

「帝王のご子息を組換え植物の花粉があやめる」と題する文章が5月20日付けの『Nature』誌の通信欄に寄せられた．オオカバマタラ（直訳すると帝王蝶）は米国ではよく知られた人気のある大型の蝶である．この幼虫はトウワタの葉のみを餌として成長する．トクワタは米国の中～北部に成育しその分布はトウモロコシの栽培地域と一致する．米国Cornell大学のJ．E．Losey教授らは，殺虫成分を生産する遺伝子を付与したトウモロコシの花粉をトウワタの葉に付着させ，その葉を餌にしてオオカバマタラを成育させたところ成育が遅くなり，4日後には44％の幼虫が死んだ，との報告を行なった．