泌乳持続性の改良に対する乳量および 体細胞スコアの相関反応の予測

摘要

我が国の乳牛遺伝評価では、泌乳ピーク時の乳量を維持する能力として、分娩後240 日乳量-60日乳量に基づく泌乳持続性評価値 を2008年より公表している。泌乳持続性の高 い牛は、泌乳中後期の乳量とピーク乳量との 差が小さい傾向があるため、TMR自由採食 を前提とした群管理システムにおいて、飼料 効率が良く、過肥になりにくいことが期待され ている（早坂2014)。日本国内の研究結果よ り、泌乳持続性の改良は、乳量の向上、乳 房炎発症の低減、長命性の向上などに効果 があると考えられる（Yamazakiら2013 ；萩谷 ら2012;Hagiyaら2014)。また、泌乳持続 性と体細胞スコア(Somatic cell score; SCS 乳房炎の管理指標）との間には負の遺伝相関 が報告されており（Yamazakiら2013)、泌 乳持続性に基づく乳牛の選抜は、生産性を向 上させるとともにSCSを低下させること力5期待 できる。